2025年5月、トヨタは新型「RAV4」を世界初公開しました。従来型から大幅にアップデートされた今回のモデルは、デザイン・パワートレイン・装備のすべてにおいて刷新され、多様なライフスタイルに応える“3つの顔”を持つSUVとして再設計されています。
ユーザーからは「デザインが選べて面白い」「先進性を感じる」といった高評価が寄せられている一方、「現行モデルのほうが実用的だった」「ガソリン車が選べないのは残念」といった声も。一体なぜ、こうした反応が分かれるのでしょうか?
画像引用元 : トヨタ公式サイト
新型RAV4は3つのフロントデザインで“キャラ分け”
新型RAV4は、外観デザインを大きく3タイプに分けて展開しています。
- CORE(コア):都会的で洗練されたデザイン。ミニマルでクリーンな印象。
- ADVENTURE(アドベンチャー):タフで力強いイメージ。従来のRAV4らしさを継承。
- GR SPORT(GRスポーツ):ブラック加飾を多用し、スポーティで攻めた外観。
グリルやバンパー形状、ホイール、ドアハンドルの色など細部まで差別化されており、購入者の好みに合わせて“顔”を選べる戦略です。
ガソリン車が廃止に。HEVとPHEVの2本立てに再編
従来ラインナップされていたガソリンモデルは、2025年モデルから廃止。新型では、ハイブリッド(HEV)とプラグインハイブリッド(PHEV)のみが選択可能となりました。
特に注目されているのは、新採用の第6世代ハイブリッドシステム。
- PHEVモデル:電気のみでの走行距離は、従来の95kmから150kmへと大幅に向上。
- HEVモデル:加速感が大きく改善され、モーター駆動の力強さをより実感できる走行フィールに。
電動化の加速は歓迎されつつも、「シンプルなガソリン車が選べない」ことに戸惑うユーザーもいます。
インテリアも刷新。使い勝手と先進性を両立
室内空間も大きく進化しています。新型RAV4では、トヨタ最新の「アイランドアーキテクチャー」を導入。
- 水平基調のインストルメントパネルで視認性が高く、空間に広がりを演出。
- 大型センターディスプレイにより、ナビやエンタメ操作の快適性も向上。
- USBポートや収納スペースも増加し、日常使いにも便利。
さらに、トヨタ初となる次世代ソフトウェアプラットフォーム「Arene OS」が採用され、将来的なアップデートや拡張性も視野に入れた設計となっています。
価格帯が上昇、コスパに懸念の声も
新型RAV4の価格は、装備の進化や電動化に伴い全体的に上昇傾向です。
- ハイブリッドモデル:360万円〜460万円前後
- プラグインハイブリッド:500万円超〜
従来のガソリンモデル(約300万円〜)と比較すると、価格差が大きく、「割高になった」「装備は良いが手が届かない」との反応もあります。
現行型を選ぶユーザーが増加?
販売店では、旧型の在庫を求める問い合わせが相次いでおり、「現行型のうちに買っておきたい」というニーズが明確化しています。
一方で、新型のGR SPORTやアドベンチャー系のデザインは好評で、予約も堅調とのこと。ユーザーの選択が二極化している状況です。
新型RAV4は“選ばれる一台”へ進化
今回の改良により、RAV4は「どれを買っても無難」な存在から、「どれを選ぶかが個性」となる選択性の高いSUVへと進化しました。機能や見た目の違いが明確で、“RAV4らしさ”が一層際立ったといえるでしょう。
一方、汎用性や価格帯の手頃さといった“現行型の良さ”が薄れたと感じる層には、従来型の方が魅力的に映っているのも事実です。
まとめ|あなたのRAV4はどの顔?
新型RAV4は、デザイン・走行性能・安全装備・ソフトウェア基盤に至るまで、次世代に向けた刷新が随所に施された戦略的モデルです。
ガソリン車廃止や価格アップに不満の声もあるものの、選択肢が広がったことで“誰にとってもちょうどいい1台”から、“選ばれる個性派SUV”への進化を遂げたとも言えるでしょう。
RAV4は今、「あなたの価値観」を問うSUVになったのです。