2025年4月、ついに日本市場でカタログモデルとしての販売が開始された「レクサスGX」。このモデルは、2024年に限定100台で登場した先行モデル「GX550“OVERTRAIL+”」の正式版であり、これまで北米や中東を中心に展開されてきた“本格派SUV”が、満を持して国内市場へ本格導入されました。
GXはこれまで“ランドクルーザープラドのレクサス版”として知られてきましたが、今回の新型ではトヨタ「ランドクルーザー250(以下ランクル250)」と骨格を共有しつつ、価格や装備、方向性で明確な差別化が図られています。本記事では、両モデルの違いを技術・装備・価格・ブランド戦略の視点から比較し、GXの実力と立ち位置を徹底解説します。
画像引用元 : レクサス公式サイト
レクサスGXとは?国内初登場の“3代目”本格SUV
レクサスGXは、グローバルでは3代目となるモデルで、GA-Fプラットフォームを採用した本格的なフレーム構造SUVです。日本国内での本格展開は今回が初。
主なスペック(GX550)
- エンジン:3.4L V6ツインターボ(ランドクルーザー300/LX600と共通)
- 駆動方式:フルタイム4WD+ローレンジ
- 変速機:10速AT
- ボディ構造:独立ラダーフレーム(GA-F)
ランクル250との関係性と相違点
共通点
- GA-Fプラットフォームを採用
- 2850mmのホイールベース
- フレーム構造と高い悪路走破性
- デザインテーマに“スクエアボディ+機能美”を採用
主な違い
項目 | レクサスGX | ランクル250 |
---|---|---|
エンジン | 3.4L V6ターボ | 2.8L直4ディーゼル or ガソリン |
変速機 | 10速AT | 8速AT |
サスペンション | AVS(電子制御)標準装備 | 一部グレードで非装備 |
グレード価格帯 | 1195万〜1270万円 | 520万〜735万円 |
ブランド | レクサス(プレミアム) | トヨタ(量産フラッグシップ) |
上記のように、GXはランクル250よりも明確に“高級SUV”としての要素を強化した設計になっています。
価格差は約500万円、それでも“割高ではない”?
GX550“バージョンL”の価格は1270万円。一方で、ランクル250の最上級「ZX」は735万円。価格差は実に535万円にもなります。
しかし、レクサスLXとランクル300の関係も同様で、LX600の価格は1450万円、ランクル300のZXは743万円。その差は706万円で、割合にすると約95%差。
それと比較すると、GXとランクル250の価格差(約73%差)はむしろ“控えめ”とさえ言えます。エンジンもV6ターボ vs 直4ディーゼル、トランスミッションも10速 vs 8速、AVS標準などを考慮すれば、GXの内容はかなり“お買い得”という見方もあります。
実用性 vs 高級感、あなたに合うのはどっち?
ランクル250は「質実剛健」をコンセプトに掲げ、ユーザーの日常と実用を支える“プロユースSUV”としての立場を強調。多様なニーズに応えるため、エントリーモデル「GX」では520万円からという価格設定も実現しています。
一方、レクサスGXは“高級・快適・存在感”を前面に出したSUVであり、3列シートの「バージョンL」では、セミアニリン本革、22インチホイール、ナビ連動AVSなど、走りも快適性も贅沢仕様。
つまり、
- 「アウトドア・長距離・維持費重視」ならランクル250
- 「プレミアム感・走行快適性・ラグジュアリー性」ならGX と、方向性の異なる2台となっています。
今後の展望と注意点:納期と価格に要注意!
2025年5月現在、GXの納期は「販売店に問い合わせ」という曖昧な状態。国内投入が本格化したとはいえ、世界的な需要の高さと生産・供給体制の問題から、今後も納車まで長期間を要する可能性があります。
また、現状では“LXやランクルとの価格整合性”を保つ形での価格設定となっているGXですが、その装備内容を考慮すれば今後価格改定(値上げ)が入っても不思議ではありません。今が“狙い目”という見方もあるでしょう。
まとめ|GA-F兄弟SUVをどう選ぶ?
レクサスGXとランドクルーザー250は、プラットフォームを共有しつつ、それぞれ「高級志向」と「実用主義」に振り分けられた、いわばGA-F兄弟SUV。
- 価格差は約500万円〜700万円
- エンジン、ミッション、足まわりに大きな差
- デザイン・装備・ブランド力に基づいた選択が求められる
今後、GXの人気がさらに高まる中で、早期注文が納期・価格両面で有利になる可能性も。
“見た目は似ているが、中身はまったく違う”この2台──どちらを選んでも本格SUVとしての魅力は折り紙付き。だからこそ、「自分がSUVに何を求めるか?」を改めて問い直すチャンスかもしれません。