トヨタの象徴とも言える「ランドクルーザー」についにハイブリッドモデルが登場。従来型のV8エンジンのイメージを払拭し、新時代のパワートレインを搭載した「ランドクルーザー300ハイブリッド」は、これまでの悪路走破性を維持しつつ、燃費性能や環境性能まで進化を遂げました。本記事では、中東で発表された最新情報をもとに、パワートレイン・性能・走行性能・内装装備・レクサスLXとの違い・購入時の注意点まで徹底解説。試乗レビューや筆者独自の考察も交え、他メディアとは一線を画す内容をお届けします。
画像引用元 : トヨタ公式サイト
ランドクルーザー300に待望のハイブリッドモデルが登場
トヨタが中東市場に先行投入
ランドクルーザー300のハイブリッド仕様は、2025年に入り中東市場を皮切りに登場。これは、燃費効率の向上を重視する世界的な流れに加え、EVでは不安な過酷なオフロード環境でも信頼性を発揮するハイブリッドの特性を活かした判断と言えるでしょう。
ハイブリッドパワートレインのスペック詳細
搭載されるのは3.5L V6ツインターボ+ハイブリッドユニット。これは既にレクサス「LX700h」で高い評価を得ているシステムです。
- 最高出力:457馬力
- 最大トルク:790Nm
- トランスミッション:10速AT
- 駆動方式:フルタイム4WD
ガソリンモデル(3.5L V6ターボ)と比較してもトルク性能が上回っており、重厚な車体を余裕で押し出すパワーを実現。砂漠地帯や山岳地帯でも難なく走破できることを想定したセッティングです。
電動化でどう変わった?走破性能の進化ポイント
モーターアシストによる瞬発力の向上
ハイブリッド特有の電気モーターアシストにより、0発進時の加速性能が劇的に向上。これは特に、岩場やぬかるみといった低速域での走破性能に恩恵をもたらします。
筆者の見解として、オフロード走行において「トルクの立ち上がりが早い」ことは非常に重要。モーターの瞬時出力は、従来のターボラグを補完する役割を果たしており、従来以上に扱いやすいランドクルーザーに仕上がっています。
マルチテレインセレクトの進化
ハイブリッド仕様にも、ランドクルーザー伝統のマルチテレインセレクト(地形選択制御)が搭載されており、電子制御とモーター出力が組み合わさることで、きめ細やかな路面対応力が実現されています。
内装・装備もアップグレード:高級感と快適性の両立
高級SUVとしての室内空間
ランドクルーザー300ハイブリッドのインテリアは、従来モデル以上に静粛性と快適性を重視した設計がなされています。以下の装備が特徴的です:
- 12.3インチの大型ディスプレイ(インフォテインメント)
- レクサス譲りのナッパレザーシート
- センタートンネルに配置されたハイブリッド専用のエネルギーフロー表示
- アクティブノイズキャンセリングによる静音化
ハイブリッドならではの先進安全装備
トヨタセーフティセンスの最新バージョンに加え、ハイブリッド仕様にはブレーキエネルギー回生機能など、エコ走行をサポートするシステムが追加。高速道路ではEVモードでの滑走も可能です。
ライバル比較:ランドクルーザー300ハイブリッド vs 他モデル
比較項目 | ランドクルーザー300ハイブリッド | レクサスLX700h | 日産パトロール | ジープグランドチェロキー4xe |
---|---|---|---|---|
価格帯 | 約1,200万円(予想) | 約1,500万円 | 約1,100万円 | 約1,000万円 |
パワー | 457馬力 | 477馬力 | 405馬力 | 375馬力 |
燃費 | 約10.5km/L(予想) | 約11.0km/L | 約7.5km/L | 約12.0km/L |
特徴 | 本格オフローダー+電動 | 高級SUV+電動 | 大排気量+タフネス | プラグインHV+快適性 |
本格オフロード性能を維持しつつ電動化を実現したモデルは、現状ランドクルーザー300ハイブリッドが最もバランス良しと評価できます。
レクサスLX700hとの違いは?ブランド戦略の棲み分け
同じパワートレインを搭載するレクサスLX700hと何が違うのかという疑問は自然なものです。以下に整理します。
- LX700h:ラグジュアリー性を全面に押し出したモデル。快適性や静粛性重視
- ランクル300ハイブリッド:あくまで「本格オフローダー」の伝統を引き継ぎつつ電動化
つまり、両車の関係は兄弟というより目的別に開発された“共通骨格を持つ別物”と捉えるべきです。
今後の日本国内発売の可能性と導入時期
現在は中東市場が中心ですが、2025年後半~2026年前半にかけて日本導入の可能性は高いと筆者は予想しています。
その根拠として:
- トヨタはカーボンニュートラル対応として、全車種に電動車導入を推進中
- レクサスLX700hが日本導入済みであり、整備・販売ネットワークの準備は整っている
- 日本国内でも大型SUV需要が拡大中(特に富裕層、アウトドア志向層)
筆者の試乗レビューと印象
実際の試乗映像や海外レビュアーのインプレッションを総合すると、「想像以上に滑らか」「低速域での粘りがすごい」といった声が目立ちました。
筆者も映像やデータをもとに分析した結果、“力強さ”と“繊細さ”が両立したSUVという印象を受けました。とくに、都市部からオフロードまで1台でこなしたい層には最適なモデルになりうると断言できます。
よくある質問(FAQ)
Q. ランドクルーザー300ハイブリッドの価格は?
A. 正式発表は未定ですが、中東での価格帯を換算すると日本では1,150万円〜1,250万円前後になる可能性があります。
Q. 日本発売はいつ?
A. 早ければ2025年冬〜2026年前半が有力と見られます。
Q. ハイブリッドで悪路走行は本当に大丈夫?
A. むしろモーターによる低速トルクの強化で、従来よりも扱いやすいという声も多いです。
Q. 従来型(ガソリン)とどちらが買い?
A. 高速長距離&オフロードを両立させたいならハイブリッド、低コスト志向なら従来型が候補になります。
電動化されたランドクルーザー300は新たな伝説の始まりか
ランドクルーザー300ハイブリッドは、オフロードの象徴としての伝統を守りながらも、時代の要請に応える電動化という挑戦を遂げました。豪快さと静粛性、パワーと環境性能、その両立に挑んだ新型モデルは、トヨタの技術力の結晶と言えるでしょう。
筆者としても「これは単なる進化ではなく“変革”だ」と感じました。今後の国内展開に期待しつつ、今この瞬間に世界で何が起きているのか、ぜひ注目しておくべき1台です。