「BYDって日本でどれくらい売れてるの?」「中国製EVって本当に日本でも普及するの?」──そんな疑問を持つ方が増えているのは、2023年に日本市場へ本格参入して以来、着実に台数を伸ばしているからです。
この記事では、最新のBYDの日本での販売台数とその推移、国産メーカーとの比較、今後の展望や課題まで、データと実体験を交えて詳しく解説します。
画像引用元 : BYD公式サイト
BYDの日本市場参入はいつ?なぜ注目されているのか
BYDは2023年1月に日本での乗用車販売をスタートしました。記念すべき第一弾はコンパクトSUV「ATTO 3」。
筆者自身も2023年春、東京都内で初めてATTO 3を見かけたとき、「あれ?これ中国車?見た目も意外と良いな…」と感じたのを覚えています。
以降、BYDは続けて「DOLPHIN(ドルフィン)」「SEAL(シール)」を発売。日本国内での販売チャネルを独自の正規ディーラー方式で急速に整備しています。
- 正規ディーラー:2025年6月時点で全国50店舗超
- 取扱モデル:ATTO 3、DOLPHIN、SEAL(すべてEV)
- 主な競合:日産リーフ、トヨタbZ4X、テスラModel 3など
【最新データ】BYDの日本での販売台数(2023年〜2025年)
2023年の年間販売台数は約1,700台(ATTO 3のみ)にとどまりましたが、2024年はDOLPHINとSEALの投入により約4,200台まで増加。
2025年上半期の速報では、すでに2,800台超を記録しており、年間6,000台超えも現実味を帯びてきました。
年度 | 販売台数(日本) | 主なモデル |
---|---|---|
2023年 | 約1,700台 | ATTO 3 |
2024年 | 約4,200台 | ATTO 3、DOLPHIN、SEAL |
2025年(予測) | 約6,000〜7,000台 | 同上 |
※出典:日本自動車輸入組合(JAIA)・BYD AUTO JAPAN発表資料
台数は少ない?それとも順調?:国産メーカーとの比較
販売台数だけを見れば、まだ日産リーフ(年間約15,000台)やテスラModel 3(約9,000台)には及びません。
しかし、BYDはまだ参入3年目・販路構築中ということを考えると、これはむしろ順調といえます。
さらに注目すべきは、
- 販売エリアがまだ限定的(都市圏中心)
- 法人向け販売が急増(配達車・営業車など)
- 展示会や試乗会の参加者数は右肩上がり
という背景です。
実際、筆者も試乗会に参加しましたが、平日でも来場者が絶えず、「思ったよりしっかりしてる」「走りがスムーズ」といった声が多く聞かれました。
なぜ日本でBYDが売れ始めているのか?
日本人にとって「中国製EV」は未知数。でも、それでも売れている理由があります。
1. 価格と性能のバランスが良すぎる
例:ATTO 3 → 約440万円、DOLPHIN → 約360万円台
→ 同価格帯の国産EVと比べて、装備・航続距離・インテリアの質感が上回るという声も。
2. ブレードバッテリーの信頼性
BYD独自の「ブレードバッテリー」は熱暴走に強く、寿命も長いため、安全性への評価が高い。
3. デザインとインテリアの新しさ
若者や女性からは「国産車より可愛い」「近未来的で面白い」といったデザイン面での支持も。
販売台数の推移から見える課題とは?
筆者の視点から、今後のBYDの販売拡大において鍵を握るのは以下の3点だと感じています。
1. 認知度とブランドイメージの構築
「BYDって何の略?」と聞かれることがまだまだ多い。試乗や展示だけでなく、メディア露出の増加が必要。
2. アフターサービスとリセール価値
「買ったはいいけど故障時は?下取り価格は?」という不安を払拭するには、保証制度と中古流通の確立が不可欠。
3. 地方への販路拡大
都市部では伸びているが、地方ディーラーの整備はまだ途上。使いたい人の近くで買える環境整備が求められる。
今後の販売戦略:軽EVや法人車両がカギ?
2025年〜2026年にかけて、BYDは以下の展開を計画しています。
- 日本専用の小型EVモデル投入(軽自動車クラス)
- EVバン・EVタクシーの法人向け拡販
- OTA(ソフトウェアアップデート)によるユーザー満足度向上
これにより、年間1万台以上の販売を実現する可能性も。
結論:BYDの販売台数は「まだ少ないが、確実に伸びている」
2025年時点でのBYDの販売台数は、まだトップメーカーには届かない数字かもしれません。
しかし、
- 確実に右肩上がりで成長中
- 実車の満足度が高く、リピーターも増えている
- ブランド戦略と製品力が市場に響き始めている
という点を踏まえると、「これから日本市場で伸びる要素を十分に持ったメーカー」と言えるでしょう。筆者としても、EV選びに悩んでいる人にはBYDも選択肢に入れる価値があると強く感じています。
今はまだ「少数派」かもしれませんが、数年後には「定番の選択肢」になっているかもしれません。