事故や傷を発見したとき、多くのドライバーが迷うのが「車両保険を使うべきか」という問題です。使えば今回の修理費は0円になるが、翌年から保険料が上がり3年間にわたって割増保険料が続く。トータルで損になるケースも多いです。この記事では等級別のシミュレーションを具体的な数字で示し、保険を使うべきかどうかの判断基準を明確にします。
車両保険を使うと等級はどう変わるか
車両保険を使うと原則として等級が3等級ダウンし、さらに「事故有係数」が適用される期間が3年間続く。この2つの影響により、翌年以降の保険料が大幅に増加します。
| 現在の等級 | 割引率 | 使用後等級 | 使用後割引率 | 年間保険料増加目安 | 3年間の増加合計目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| 20等級 | 63%割引 | 17等級(事故有) | 約44%割引 | 約30,000〜50,000円増 | 約90,000〜150,000円 |
| 17等級 | 55%割引 | 14等級(事故有) | 約35%割引 | 約25,000〜40,000円増 | 約75,000〜120,000円 |
| 15等級 | 52%割引 | 12等級(事故有) | 約29%割引 | 約20,000〜35,000円増 | 約60,000〜105,000円 |
| 10等級 | 38%割引 | 7等級(事故有) | 約14%割引 | 約15,000〜28,000円増 | 約45,000〜84,000円 |
| 6等級 | 19%割引 | 3等級(事故有) | 約約6%割引 | 約8,000〜15,000円増 | 約24,000〜45,000円 |
保険を使う前に修理費用の相場を把握しておくことが重要です。部位別の修理費用相場一覧はこちら。
※上記は年間保険料15万円程度の一般的な契約を想定した目安。実際の金額は保険会社・プラン・車種・年齢等によって大きく異なります。
保険を使うか使わないかの損得分岐点
| 現在の等級 | 免責金額0円の場合の分岐点 | 免責金額5万円の場合の分岐点 |
|---|---|---|
| 20等級 | 修理費が約9〜15万円以下→使わない方が得 | 修理費が約14〜20万円以下→使わない方が得 |
| 15等級 | 修理費が約6〜10万円以下→使わない方が得 | 修理費が約11〜15万円以下→使わない方が得 |
| 10等級 | 修理費が約4〜8万円以下→使わない方が得 | 修理費が約9〜13万円以下→使わない方が得 |
| 6等級 | 修理費が約2〜4万円以上→使う価値あり | 修理費が約7〜9万円以上→使う価値あり |
バンパー修理など部位別の具体的な修理費用相場を確認したうえで判断しましょう。バンパー修理費用の相場はこちら。
保険を使う前に確認すべき3つのポイント
- 免責金額(自己負担額)を確認する:免責5万円の場合、修理費8万円でも受け取れるのは3万円だけ。免責金額を差し引いた実質受取額と保険料増加額を比較する
- 「一般型」か「エコノミー型」かを確認する:エコノミー型(車対車のみ担保)は単独事故・当て逃げには適用されない
- ノーカウント特約の有無を確認する:一部のプランでは「1回目の事故は等級ダウンなし」という特約が付いている場合があります
軽微な擦り傷なら自己負担でDIY修理することで等級を守れます。自分でできる擦り傷DIY修理の方法はこちら。
保険を使うべきケース・使わない方が良いケース
| 状況 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 修理費30万円以上・等級10以下 | 使う | 3年間の保険料増加より修理費の方が明らかに高い |
| 修理費3万円以下・等級15以上 | 使わない | 保険料増加額が修理費を大幅に上回る |
| 修理費7〜15万円・等級15以上 | 要計算 | 保険会社にシミュレーション依頼を推奨 |
| 相手がいる事故(過失割合有り) | 状況による | 相手の対物保険・自分の対物超過特約を先に確認 |
| 全損・修理不可の場合 | 使う | 車両保険で時価額が支払われる |
板金塗装が必要な大きな損傷の場合は費用相場の把握が損得判断の鍵になります。板金塗装費用の相場はこちら。
よくある質問(FAQ)
Q1. 車両保険を使うといくら保険料が上がりますか?
A. 等級・保険会社によって異なりますが、1回の使用で3年間の保険料増加額は4〜15万円程度が目安です。20等級では9〜15万円増加するケースが多いです。
Q2. 等級は何年で戻りますか?
A. 1回の使用で3等級ダウンし、元の等級に戻るには最低3年かかります。事故有係数の影響は3〜6年続くことがあります。
まとめ
車両保険を使うべきかどうかの判断は「修理費の見積もり額」と「3年間の保険料増加額」の比較が基本。まず見積もりを取り、保険会社にシミュレーションを依頼してから判断することが最も確実です。高等級を維持している場合、軽微な修理では保険を使わない方が長期的に得になることが多いです。

