BYDの日本での販売台数は、2025年に過去最高を更新しました。 日本自動車輸入組合(JAIA)の統計では、2025年の新規登録は3,870台で、前年より62.4%増えたと報じられています。日本で乗用車を発売した2023年は1,446台だったので、2年で2倍以上に増えた計算です。
ただし、国内メーカーの人気車種と比べれば、まだ小さな規模です。2026年は軽EV「ラッコ」の発売で受注が過去最高を記録した一方、4〜9月の普通車の登録台数は前年を下回りました。
この記事では、公的な統計と大手メディアの報道をもとに、BYDの日本での販売の実態を「数字」で整理します。
BYDの日本での年間販売台数の推移
BYDが日本で乗用車の販売を始めたのは2023年1月です。それ以降の年間の台数は次のとおりです。
| 年 | 販売台数 | 主な出来事 |
|---|---|---|
| 2023年 | 1,446台 | 1月にATTO 3、9月にドルフィンを発売 |
| 2024年 | 2,223台 | 6月にシールを発売 |
| 2025年 | 3,870台(前年比62.4%増) | 4月にシーライオン7、12月にシーライオン6(PHEV)を発売 |
2023年の1,446台の内訳は、ATTO 3が1,198台、ドルフィンが248台でした。webCGによると、ドルフィンは型式認証の遅れで出荷が遅れた影響があったとされています。
集計の範囲で数字が少し違うことに注意
BYDの販売台数は、報道によって数字が少し異なります。たとえば2025年について、carview!は乗用車で3,742台と伝えています。JAIAのブランド別の数字には、乗用車以外の車両が含まれる場合があるためと考えられます。
数字を比べるときは、「乗用車だけか」「暦年(1〜12月)か年度(4〜3月)か」を確認することが大切です。
2026年の販売動向
2026年は、月によって動きが大きく異なります。
| 時期 | 数字 | 出典 |
|---|---|---|
| 2026年3月 | 登録625台(前年同月比91.1%増) | JAIA(CarNewsChina) |
| 2026年8月 | 全6車種の受注1,260台(月間で過去最高) | BYD Auto Japan発表 |
| 2026年4〜9月 | 普通車の登録2,043台(前年同期比13.3%減) | JAIA(日刊工業新聞) |
| 2026年4〜9月 | 軽EVの販売648台 | 全国軽自動車協会連合会(日刊工業新聞) |
春は好調、上半期の普通車は前年割れ
3月は625台と、前年同月の約1.9倍に増えました。年度末の需要に加え、2025年12月に発売したPHEVのシーライオン6が加わったことが考えられます。carview!によると、シーライオン6の累計受注は2026年4月に1,000台を超えました。
一方、2026年4〜9月の普通車(軽以外)の登録は2,043台で、前年同期を13.3%下回りました。CarNewsChinaは、2026年4月からの補助金の減額が、BYDの販売を伸ばしにくくすると指摘していました。くるまのニュースによると、2026年4月以降の申請分では、BYDの普通車の補助金は各車種15万円です。
ラッコの登場で受注は過去最高に
2026年7月28日に発売した軽EVのラッコは、8月末時点で累計受注が約1,500台に達しました。8月の全車種合計の受注は1,260台で、月間の過去最高です。
ラッコの8月の届出台数は81台でしたが、これは主力グレードの納車が9月中旬以降に始まったためと説明されています。4〜9月の軽EVの販売は648台で、納車が進むにつれて統計にも反映されていく見込みです。
「本当に売れてる?」国内メーカーとの規模の差
2025年の3,870台は、BYDにとって過去最高です。日刊工業新聞によると、JAIA統計のブランド別順位(日本メーカーの輸入車を含む)で、BYDは2024年の20位から2025年は17位に上がりました。
それでも、国内の新車市場全体から見れば小さな規模です。国内メーカーの人気車種は、1車種だけで月に1万台以上売れることもあります。BYDの年間台数は、そうした車種の1か月分にも届きません。
| 見方 | 評価 |
|---|---|
| 伸び率 | 2023年から2025年で2倍以上。輸入車の中では伸びが目立つ |
| 規模 | 国内の新車市場全体では小さい |
| 輸入EVの中で | ドルフィンやシーライオン7が好調と報じられている |
輸入EVの中での存在感は高まっています。日刊工業新聞は、2025年の輸入EVの登録が3万台を超えたと報じ、BYDの伸びに触れています。シーライオン7は2026年7月時点で国内累計2,000台に達し、BYDの車種で最速だとCar Watchが伝えています。
販売が伸びている理由
車種の数が増えた
2023年の発売当初はATTO 3とドルフィンの2車種でしたが、2026年11月時点では乗用車6車種になりました。SUV、セダン、コンパクト、PHEV、軽EVと、選べる幅が広がっています。
PHEVと軽EVで新しい客層に
シーライオン6は、充電できないときもエンジンで走れるPHEVです。充電環境に不安がある人も選びやすくなりました。ラッコは購入者の約8割がBYDの新規顧客で、これまでBYDに縁がなかった層に届いていることがわかります。
価格の手ごろさ
ドルフィンは税込299万2,000円から、ラッコは214万5,000円からと、輸入EVとしては手の届きやすい価格です。
今後の課題と見通し
BYD Auto Japanは、2026年に新たに3車種を加え、乗用車を8車種に増やす計画を示していました(日刊工業新聞、2026年1月)。ラッコに続き、小型SUVのATTO 2を年末に向けて投入すると発表しています。
一方で、課題もあります。
- 補助金の減額で、EVの割安感が薄れた
- 販売店の数が国内メーカーより少なく、地域によっては遠い
- ブランドの認知度や中古車としての価値(リセール)が、まだ定まっていない
ラッコについて、BYDはまず年間1万台の販売を目標に掲げています。受注がどの程度、登録・届出台数に結びつくかが、今後の注目点です。
よくある質問(FAQ)
Q. BYDは日本で年間何台売れていますか?
JAIAの統計では、2025年は3,870台で過去最高と報じられています。2023年は1,446台でした。
Q. 2026年の販売は伸びていますか?
8月の受注は月間で過去最高でしたが、4〜9月の普通車の登録は前年同期を13.3%下回りました。軽EVのラッコを含めた全体の動きは、今後の統計で確認する必要があります。
Q. BYDで一番売れている車種は?
2025年は車種別の公式な台数は確認できませんでした。シーライオン7は国内累計2,000台に最速で到達し、2026年夏以降はラッコの受注が伸びています。
Q. 受注台数と登録台数はどう違いますか?
受注は注文を受けた台数で、登録・届出台数は実際にナンバーが付いた台数です。納車までの時間差があるため、同じ月でも数字が大きく異なることがあります。
Q. BYDは日本から撤退しますか?
2026年11月時点で、撤退の公式発表はありません。新型車を相次いで投入しています。
まとめ
- BYDの日本での販売は2023年1,446台、2025年は3,870台(JAIA統計)で過去最高
- 報道によって数字が少し違うのは、集計の範囲(乗用車のみかなど)の違いによる
- 2026年8月の受注は1,260台で過去最高。一方、4〜9月の普通車登録は前年割れ
- 国内メーカーと比べると規模は小さいが、輸入EVの中では存在感が増している
- 軽EVラッコの受注が、登録・届出台数にどこまで結びつくかが今後の焦点
あわせて読みたい
参考情報
- BYD Auto Japan 公式サイト
- CarNewsChina:BYD surpass Toyota in Japan’s 2024 EV sales(2025年1月13日)
- ニュースイッチ(日刊工業新聞):輸入EV登録が3万台突破(2026年1月)
- ニュースイッチ(日刊工業新聞):26年度上期の輸入車 新規登録(2026年10月)
- webCG:上陸初年度の販売台数は1446台(2024年3月)
- Car Watch:BYD、軽EV「ラッコ」累計受注が約1500台達成(2026年9月3日)
※価格は消費税込みのメーカー希望小売価格です。最新の情報はメーカー公式サイトまたは販売店でご確認ください。(2026年11月時点の情報)

