BYD(ビーワイディー)は、中国の広東省深圳市に本社を置く自動車メーカーです。 1995年に電池メーカーとして創業し、2003年に自動車事業に参入しました。現在は電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)を中心に、世界で年間400万台以上を販売しています。
日本では2015年に電気バスの納入を始め、2023年1月に乗用車の販売をスタートしました。2026年には日本の規格に合わせた軽EV「ラッコ」も発売しています。
この記事では、BYDがどんな会社なのか、なぜ世界で販売を伸ばしているのか、日本で買う場合に何を確認すればよいのかを、公式発表と報道をもとに整理します。
BYDは中国のメーカー|基本情報
まずは会社の基本情報です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本社 | 中国 広東省深圳市 |
| 創業 | 1995年(電池メーカーとして) |
| 創業者 | 王伝福(ワン・チュアンフー)氏 |
| 自動車事業 | 2003年に西安の自動車メーカーを買収して参入 |
| 主な製品 | EV、PHEV、電気バス、電池など |
| 日本の乗用車販売会社 | BYD Auto Japan(2022年7月設立) |
社名のBYDは「Build Your Dreams」の頭文字として知られています。もともとは携帯電話などに使う充電池のメーカーでした。電池の技術を土台に自動車へ事業を広げたことが、ほかの自動車メーカーとの大きな違いです。
世界でどれくらい売れている?
BYDは、世界でもっとも多くの新エネルギー車(EVとPHEVなど)を販売するメーカーの一つです。電波新聞の報道によると、2025年の販売実績は次のとおりです。
| 項目 | 2025年の販売台数 | 前年比 |
|---|---|---|
| 新エネルギー車の合計 | 460万2,436台 | 7.7%増 |
| うちEV(BEV) | 225万6,714台 | 27.9%増 |
| うちPHEV | 228万8,709台 | 7.9%減 |
| 参考:テスラの世界販売 | 163万6,129台 | 8.5%減 |
2025年のEVの年間販売で、BYDは初めてテスラを上回り、世界首位になりました。
海外での販売も伸びています。AFPBB(CGTN)の報道では、2025年の海外販売は約104万台を超え、2026年は約130万台を目標にしています。110以上の国と地域で販売しており、タイやウズベキスタン、ブラジルで工場が稼働しています。欧州初の工場もハンガリーで稼働を予定しています。
なぜBYDは急成長したのか
電池を自社で作れる
BYDの強みは、EVの中心部品である電池を自社で開発・生産していることです。リン酸鉄リチウムイオン電池を細長い板状にした「ブレードバッテリー」を自社で手がけ、日本で販売する車にも搭載しています。
電池やモーターなどの主要部品を自社でまかなえると、価格を抑えやすく、開発のスピードも上げやすくなります。
EVとPHEVの両方をそろえる
BYDはEVだけでなく、PHEVにも力を入れています。2025年の販売台数を見ると、EVとPHEVがほぼ半分ずつです。充電環境が整っていない地域でも売りやすい構成になっています。
中国という大きな市場
BYDは、世界最大の自動車市場である中国で販売を伸ばしてきました。大きな国内市場で台数を確保し、そこから海外へ広げていく流れです。
日本でのBYDの歩み
BYDの日本での事業は、乗用車より先に商用車から始まりました。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2015年2月 | 京都の路線バスに大型電気バス「K9」5台を納入 |
| 2015年 | 電動フォークリフトの販売を開始 |
| 2022年7月 | 乗用車の販売会社BYD Auto Japanを設立し、日本の乗用車市場への参入を発表 |
| 2023年1月 | ATTO 3を発売(同年9月にドルフィン) |
| 2024年6月 | セダンのシールを発売 |
| 2025年4月 | SUVのシーライオン7を発売 |
| 2025年12月 | 日本初のPHEVシーライオン6を発売 |
| 2026年7月 | 軽EVのラッコを発売 |
くるまのニュースによると、2022年4月時点で日本国内に約60台の電気バスを納入していました。路線バスなど公共交通で使われてきた実績が、乗用車に先行してあったことになります。
日本向けの乗用車は海外で生産され、輸入車として販売されています。2025年の日本での新規登録は3,870台で、過去最高でした(日本自動車輸入組合の統計の報道)。
トヨタとの協業
トヨタとBYDは、EVの研究開発を行う合弁会社「BYD TOYOTA EV TECHNOLOGY」を2020年に中国・深圳で設立しました。出資比率は50%ずつです。
トヨタは2019年11月にこの合弁会社の設立を発表し、EVやそのプラットフォーム、部品の設計・開発を担うとしていました。中国市場向けのトヨタブランドのEVの開発が目的です。日本で販売するBYD車とは直接の関係はありませんが、BYDの技術が大手メーカーとの協業の対象になっていることがわかります。
中国メーカーの車は信頼できる?確認したいポイント
「どこの国のメーカーか」が気になる背景には、品質や安全性、アフターサービスへの不安があると考えられます。判断の材料になる事実を整理します。
衝突安全の評価
欧州の衝突安全評価「ユーロNCAP」では、ATTO 3が2022年に、シールとドルフィンが2023年に最高評価の5つ星を獲得しています。いずれも日本で販売されている車種です。
日本の規格への対応
日本で販売されているBYD車は、日本の充電規格や車両の規格に合わせた仕様になっています。たとえばATTO 3は、日本で普及している急速充電規格のCHAdeMO(最大85kW)に対応しています(BYD公式の主要諸元)。2026年発売のラッコは、全長3,395mm、全幅1,475mmという日本の軽自動車規格に合わせて新たに開発されたモデルです。
海外向けの車をそのまま持ち込むのではなく、日本で使いやすいように手を加えている点は、購入を考えるうえでの安心材料の一つです。
保証の内容
軽EVのラッコは、一般保証が6年15万km、駆動用バッテリーの容量保証が8年16万kmです(レスポンス)。ほかの車種の保証内容は車種や時期で異なるため、購入前に販売店で確認してください。
購入前に確認したいこと
- 近くに正規販売店があるか(点検や修理を受けやすいか)
- 自宅で充電できるか(EVの場合)
- 国や自治体の補助金の対象か
- 将来手放すときの下取り価格の目安
国籍だけで判断するより、こうした点をほかの車と同じ基準で比べることが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q. BYDはどこの国のメーカーですか?
中国のメーカーです。本社は広東省深圳市にあります。
Q. BYDの社名の意味は?
「Build Your Dreams」の頭文字として知られています。
Q. BYDはいつから日本で車を売っていますか?
電気バスは2015年から、乗用車は2023年1月から販売しています。
Q. BYDは世界で何台売れていますか?
2025年の新エネルギー車の販売は460万2,436台です。EVだけでは225万6,714台で、テスラを上回りました。
Q. BYDの車は安全ですか?
ATTO 3、シール、ドルフィンは、ユーロNCAPで最高評価の5つ星を獲得しています。
まとめ
- BYDは中国・深圳に本社を置くメーカーで、1995年に電池メーカーとして創業した
- 2025年の新エネルギー車の販売は約460万台で、EVの年間販売でテスラを初めて上回った
- 電池を自社で開発・生産できることが強み
- 日本では2015年に電気バス、2023年に乗用車の販売を始め、2026年に軽EVを発売
- 購入前は販売店の場所、保証、充電環境を確認するのが大切
あわせて読みたい
参考情報
- BYD Auto Japan:ATTO 3 主要諸元(PDF)
- トヨタ自動車ニュースリリース:BYDとEVの研究開発合弁会社の設立に合意(2019年11月7日)
- くるまのニュース:中国EV最大手「BYD」日本上陸(2022年7月)
- 電波新聞デジタル:中国BYD、25年のEV販売で世界首位に(2026年1月5日)
- AFPBB News:BYD 海外販売を加速 2026年に130万台目標(2026年1月29日)
- BYD Europe:ATTO 3がユーロNCAPで5つ星を獲得
※記事の内容は2026年11月時点の情報です。最新の情報はメーカー公式サイトなどでご確認ください。

